給与計算・総務事務

8時間を超えた残業時間に休憩無しは合法!?

投稿日:2014年8月31日 更新日:

時計

毎日残業お疲れ様です。そんな残業で頑張っている人に悲報です。

労基法上、残業時間に休憩が付かないそうです。

知ってました?これってヒドくない?



休憩時間は1時間とは限らない

休憩時間

労働基準法では休憩時間の長さについて決まりがあります。 (第三十四条)

以下の三種類です。

  • 労働時間が6時間までは、与えなくてもいい
  • 労働時間が6時間を超え8時間までは、少なくとも45分
  • 労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間

朝10時から夕方4時までの短時間パートには休憩時間を与えなくてもいい。6時間勤務だから。

一日の勤務時間が8時間の場合、休憩時間は45分与えれば良い。8時間を超えてないから。

けっこう厳しいルールですよね。

実際にはお昼に1時間の休憩をもらっている人は多いと思います。労基法で「少なくとも」となっているので多く与える分には問題ありません。

出勤時刻が8時30分、退勤時刻が17時30分という会社は多いと思いますが、この場合の休憩時間は1時間になります。8時間労働なんだから休憩は45分じゃないの?と勘違いしそうですがそれは1時間の休憩を取った結果が8時間なわけで、休憩を45分にしてしまうと労働時間は8時間15分になってしまいます。だから休憩時間は1時間になるわけです。

休憩時間の与え方、使い方

休憩時間

労働基準法では休憩時間の与え方や使い方についても規定があります。(第三十四条)要約すると以下の3つです。

  • 労働時間の途中に与える
  • すべての労働者に一斉に与える
  • 自由に利用できる

労働時間の途中に与える

休憩時間

休憩時間は労働時間の途中に与えなければいけません。労働時間の途中に与えなくてもよければ、実質7時間15分休憩なし!ということができてしまいます。仕事の始めか終わりに休憩時間を与えたらそうなります。休憩取ったらそのまま帰ってね。と言われても、それじゃ休憩になりませんよね?悪いことを考える管理者に釘を打つルールですね。

すべての労働者に一斉に与える

休憩時間

休憩時間は基本的に全従業員に一斉に与えられます。公平にするためでしょう。労基法に理由は書いてないけど。

一斉に与えるのは原則ですが一部例外はあります。仕事によってはみんなで一斉に休まれたら困ることもありますよね。そんなときは労使間で協定を結べば交代で休憩するなんてことが許可されます。たかの友梨が協定結んでたかは知りませんが、昼の時間も接客が必要な仕事なら普通は協定結びます。でないと昼は店を閉めないといけないから。

そもそも昼だからって休まれたら機能しなくなる業種ははじめから例外となっています。( 第三十条四2)

たくさんあるので一部だけ紹介すると、運送、販売、理容、金融保健、郵便、病院等、官公庁の業務などなど

イタリアではお昼の時間に店を閉めちゃうなんて聞いたことがありますが、日本ではありえませんよね?お昼に銀行や買い物に行ったら閉まってた…なんてことになったら生活にも経済にも影響します。

警察、消防が「いま休憩時間だから」って一斉にストップしたらたいへん。犯人は逃げ放題、火事は燃え放題です。犯罪や天災には休憩はありません。なのでこれらの仕事では一斉に休憩を与えなくても良いことになっています。

休憩時間は自由に利用できる

休憩時間

休憩時間は自由に利用できます。というか、自由に利用できなければ休憩にならない。 ( 第三十四条3)

すき家で有名なワンオペ(店の掃除、調理、接客のすべてをひとりでやる)の店舗勤務だとお客さんが来たら店に出なきゃいけないなんてスタイルの休憩があります。でもこんなの休憩になりませんよね?だからこれはNG!休憩扱いになりません。

事務仕事でも「電話番しながら休憩」なんてことあると思いますが、これもNGです。これも休憩とはなりません。

仕事が発生したらすぐに動かなければいけない状態は、仕事と仕事の合間の拘束時間です。これは「手待ち時間」といい、実労働時間に含まれます。

現実にはワンオペの店舗って多いです。暇な店は必然的にワンオペになります。だって売り上げないんだもん。2人も雇えません。暇なのでお客さんが来ない時間はマンガ読んだりネットしたりで時間潰してるような店では、どこまでが仕事か休憩かわからないような状況もあります。

手待ち時間を自由に使わせる(外出は出来ないけど)、そのかわり昼でも客が来たら接客する。なんてやり方は結構あるんじゃないかな?それが良いとは思わないけど。

残業時間に休憩は不要

残業時間

労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間の休憩時間を与えなければなりません。が、これ以上のルールはありません。1時間の休憩を与えたらその日の休憩時間はおしまい。つまり、

8時間を超える残業には休憩を与えなくても良い

ということですね。

与えてもいいんですよ。与えちゃダメってことじゃないから。ここ、労基法の穴だと思う…

そもそも、そんなに残業させちゃいけないわけだけど、それでも残業しなきゃならない時ってある(外的要因など)。そんなときに休憩が確保できないのはツライですよ。残業に対しては1時間あたり(少なくとも)5分とか休憩時間を与える規定がほしいです。

さいごに

人事担当だけでなく、職場の管理者なら誰でも三六協定は知っておかなければならない知識です。知らなかったではすまされません。法律ですから。

労働基準法は表現がわかりにくいので簡単に書かれた本を一冊用意しておくといいです。休憩の与え方だけでなく、残業手当や有給休暇などについても正しい知識を身に着けないと部下から質問されても答えられないですよね?

会社のルールが労基法と合ってない(悪意はなくても)なんてこともあります。 自分の待遇が不当だったことにも気づくかもしれません。

それではまた。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。