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自治体の対応がバラバラなせいで毎年発生する会社のコスト

投稿日:2016年1月30日 更新日:

給与支払報告書って知ってますか?

給与支払報告書は毎年1月末までに市区町村に提出する書類です。この提出方法は市区町村(自治体)ごとにバラバラ。同じ書類なのにバラバラ。用途が同じなのにバラバラなんですよ。

そのおかげで総務や経理部門のコストがかかってます。みんなが働いて稼いだお金が無駄に消費されています。



給与支払報告書とは

給与支払報告書は、源泉徴収票とほぼ同じものです。まったく同じと言って良いくらい同じものです。

この給与支払報告書は従業員が住む市区町村に毎年1月末までに提出します。給与支払報告書の内容を見て市区町村では従業員の住民税を決めます。

総括表の様式は自治体ごとにバラバラ

給与支払報告書を提出するときは総括表という表紙を付けます。

1箇所の自治体に住んでいる従業員が複数いる場合は給与支払報告書も複数枚あります。総括表にはその合計人数などを書きます。

総括表の様式は自治体ごとに違います。

用途は同じなのに様式が統一されてないんです。記載する内容はほぼ同じですが、自治体によって書く場所が違ったり項目が違ったりします。

さいたま市の総括表
さいたま市の総括表

千葉市の総括表
千葉市の総括表

基本的には標準的な様式で提出すれば良しとなっています。

標準的な総括表(これは新宿区のもの)
標準的な総括表

なので従業員が多い会社では自治体が指定する様式を使わないケースも多いと思います。全国に店舗展開している企業は提出先の自治体も軽く数百になるでしょう。指定の様式使ってたら処理が間に合いません。使わなくてもいいのなら使いませんよ。きっと。

使わなくてもいいのなら指定の様式ってムダじゃない?

市区町村がくれるモノもバラバラ

前年に給与支払報告書を提出した自治体からは、指定の様式の総括表と記載の注意事項などが会社に郵送で送られてきます。

記載の注意事項にフルカラーの印刷を使う自治体もあります。返信用封筒を同封する自治体もあります。いくらかかってるんでしょう。

送られてくる封筒も返信用封筒もサイズはバラバラです。

もう何もかもバラバラ。

送り先がバラバラ

給与支払報告書は市区町村の役所に送ります。が、送り先が役所ではない場合があります。

政令指定都市や一部の市区町村では、役所とは別の場所に給与支払報告書を処理する事務所を設置したりします。住民が多ければ給与支払報告書もそうとうな数になります。役所の片隅でさばける量ではありません。

ここで困るのが、初めて提出する自治体です。新入社員の住所に他の従業員がいないと、初めて提出する自治体となります。初めての場合、送付先住所がわかりません。なので役所のホームページで給与支払報告書の送付先を調べます

『◯◯市 給与支払報告書』などで検索します。

これ、おかしいでしょ?

役所のホームページは構成がバラバラです。トップページから給与支払報告書の提出方法について調べるのは大変です。なので検索して探します。

最悪の場合、役所のホームページに給与支払報告書の送付先が記載されていません。送付してくださいと書いてあるのに送り先が書いてない自治体があるんです。

この送付先の検索に数時間から1日以上かかることもあります。この作業にかかる時間は従業員数や送付する自治体数と比例しません。数秒で解決する自治体もあれば数分かかる自治体もあります。

この作業に疲弊する総務経理担当者も多いかも。

普通徴収切替理由書もバラバラ

近年、住民税の特別徴収の強化が進んでいます。

明確な理由がなければ普通徴収は許されなくなる傾向です。普通徴収にするのならその理由を書きなさいという動きがあります。その一環で生まれたのが『普通徴収切替理由書』です。この用紙は給与支払報告書と一緒に送付します。

普通徴収切替理由書の提出は、まだ一部の自治体しか実施してません。

特別徴収の推進をはかる9都県市が実施を始めましたが、平成28年分は実施している自治体と実施していない自治体があります。(その他の県でも実施しているところがあります)

9都県市とは、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市・千葉市・さいたま市です。

市と県がダブっているところがポイントですね。埼玉県があるのにさいたま市があるとか。『市』を分ける意味ってなんでしょうね。政令指定都市は管轄が違うのでしょうが住民にとっては関係なくない?この一緒にしないところに問題の根源があるような気がします。

ちなみに普通徴収切替理由書も様式がバラバラです。

これを見たときはすごいと思いました。普通徴収にする理由が書かれている用紙なのですが、自治体によって様式が大きく分けて二種類あります。

理由が『AからE』のものと『AからF』までの二種類です。

さいたま市の普通徴収切替理由書
さいたま市の普通徴収切替理由書

千葉市の普通徴収切替理由書
千葉市の普通徴収切替理由書

さいたま市はタイトルから違います。すごいです。足並みバラバラです。

さらにアルファベットに小文字を使う自治体もあります。みごとにバラバラです。

総括表は標準的な様式でも良いのですが、普通徴収切替理由書は自治体によって『AからE』だったり『AからF』だったりするのでいちいち調べなければなりません。

普通徴収切替理由書が必要なのかどうかも調べなければなりません。

この作業にも数時間から1日かかる場合があります。

かかるコスト

総括表は、自治体から用紙が送られて来ていれば、それを使う方法もありますが、数が多いとこの手作業にそうとうな時間を要します。

普通徴収切替理由書にいたっては必要性と様式の調査もあります。

送付先を調べるのにも時間がかかります。

すべて様式を統一すれば自動的に印刷するシステムが作れます。(総括表は印刷で出す会社も多いかも。標準的な様式でもOKだから)

送付先の一覧表があれば調べる時間が無くせます。

これ、給与を支給するすべての会社で毎年かかるコストです。そのコストがいくらなのか想像もできません。

自治体任せでバラバラなことをやっているから、民間がムダなコストを背負い込む状態になっているんです。

電子化もあるけど

このムダを省くために電子深申告をする方法もあります。

eLTAX | 給与支払報告書、給与所得者異動届出書を提出するには

でもこのシステムはちょっと使いづらいんです。また、年末調整で源泉徴収票を出力すると給与支払報告書も一緒に出力される(複写用紙やA4用紙に面付けされているなど)ため、使いづらい電子申告を利用してまで給与支払報告書の紙をムダにするのは抵抗がある会社も多いと思います。

従業員数が多い会社は電子申告するでしょう。従業員数が少ない会社は手作業でも大きな負担はないと思います。一番やりにくいのは従業員が数百名の会社です。中途半端に面倒くさい。そんな会社が日本にはたくさんあるんじゃないでしょうか。

将来的には電子申告になるのかもしれませんが、送信するデータを出力するソフトがなければ使えないのでどこまで普及するのか疑問です。

さいごに

給与支払報告書の発送業務にかかるコストはわかりませんが、民間企業の総務経理担当者の人件費などを全国規模で考えたら相当な額になると思います。そのコストはみんなが稼いだお金から払われます。

こんな状態なら国税庁で統括管理してほしいです。自治体に任せれば良いことばかりでもありません。

なんとかならないもんですかねぇ…

それではまた。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。