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シン・ゴジラを観た感想

投稿日:2016年7月31日 更新日:

photo credit: Menace on Shinjuku via photopin (license)

シン・ゴジラを観てきたので感想書きます。ネタバレなしのつもりで書くけど、他人の感想で期待感が損なわれる可能性は十分にあります。

楽しみにしている人は読まないほうが良いです。エヴァ(というか庵野監督)ファンも読まないほうが良いです。

あまり良いこと書いてません。



前半で席を立とうかと思った

この映画、人間の動きには政治的な手続きを描写するシーンが多い。主要なメンバーは政治家だ。一般市民の描写は皆無で、ストーリーは政治家と関係省庁とわずかな科学者たちで進行される。

役人の会話が主体となるため、対処方法と法的根拠などを協議・模索する会議のシーンが多い多い。とにかく多い。

登場人物の役職や会議の名称などを紹介するテロップも長い長い。とにかく長い。

どう考えても意図的に多く、長くしてる。

おそらく、まわりくどい言い方や文字数が多い役職などを嘲笑しつつ、今の日本の姿をリアルに表現したかったのではないかと思う。

セリフやテロップをすべて理解しようとするのは難しい。というか、理解する必要はないと思う。無理だし。言葉や文字を必死に追いかけるよりは、流して雰囲気だけ楽しむのが正しい見かたのような気がする。

作中でも作戦名の長さを指摘するシーンがある。

いっぽうで、ゴジラが街で暴れる描写は映像のショボさも相まって非常に幼稚だ。ゴジラが上陸した場面の映像を観たときに怒りを覚えて席を立とうかと思ったくらいひどかった。

予算の関係なのかはわからないけれど、その演出と品質はテレビ放送のウルトラマンと大差ない。映画でこれか?と思った。が、映像の品質は後半で格段に上がる。前半はあえてショボくしたのかもしれない。

聞き取れないセリフ、読めないテロップ、ショボい怪獣

前半はかなり苦痛だった。

前評判が良かっただけに、残念に思いつつも、この映画のどこが良いのか知りたかった。だからガマンして見続けた。

後半は完全にオタク向け怪獣映画

前半でもその臭いはしていたが、後半で一気にオタク臭くなる。

政治的な決断がされたあとは現場の人間のやり取りが増える。事態の収集に集められた人たちは、専門知識を有した変人ばかり。いわゆるオタクだ。話し方もオタクっぽい。

正義の味方を気取ったオタク

そんな感じの2ちゃんねるにいそうな人たちだ。

後半で本格的にゴジラへの対処が始まるが、その攻撃方法は幼児がオモチャで怪獣ごっこをしているようだ。常識的に考えればまったくありえない作戦内容と攻撃方法に唖然とした。

まあ怪獣映画ですから

監督はそういいたいのだろう。明らかに怪獣映画で遊んでいる。

ゴジラは前半と打って変わって動きが落ち着く。前半ではジタバタ暴れたいたのがウソのように、ゆっくりと歩く。そして圧倒的な破壊力の攻撃を見せる。

口から吐く放射熱線の攻撃力は凄まじい。この放射熱線の描写は逸品。この映画の最高の見せ場だろう。このシーンで前半の憂鬱は一蹴された。

放射熱線のすばらしい破壊力は良い。良いが、しかし、破壊の仕方が怪獣らしくない。いや、なんといか…

ゴジラなら素手や尻尾でガンガン破壊しろ!

巨大なカラダを使え!

と言いたくなる。それくらいこのゴジラは動かない。働かない。自ら進んで街を壊さない。

なんて積極性に欠ける怪獣だろう。もっと働け!

そして最後はオタクたちが考えたマンガのようなアホみたいな方法で…

実にマヌケな方法でゴジラは…

誰向け?ゴジラって何?

エヴァ(庵野監督)ファンの人なら十分楽しめると思う。

エヴァ(庵野監督)のテイストが好みでなければ微妙だ。

これはゴジラという題材を使った庵野監督の自己欲求を満たす作品だ。まるで押井守が作った実写版パトレイバーのようだった。好き勝手やってくれた。だから庵野ファンなら十分楽しめると思う。

庵野監督が作った怪獣映画としては大成功なのだろう。

ストーリーはネット中毒も喜ぶ一部の法令や条約(9条や安保)を持ち出して興味を誘う展開にしたようだが、その他の法令はご都合主義で無視された。まあ怪獣映画だからご都合主義でも良い。しかし都合の持ち出し方がなんとも…

政治家(責任者)にも若者向けの描写が感じられる。一見無能に見える人が陰で苦労してくれたお陰で問題解決できた。こういった理想の責任者像は、いまどきの若者に受けそうだ。仕事ができなさそうな人が陰でしっかり支えてくれる。そんな上司が好きなんでしょ?的な。

しかしこれらの演出は、私の中のゴジラのイメージとは違う。

ゴジラってなんだっけ?

身勝手な人間の自然破壊の産物が、その時代を象徴する繁栄した街やビルを破壊する、人間への警告みたいな存在じゃなかったっけ?

神の怒り

ゴジラとは、そういう存在だと思っていた。シリーズによっては必ずしもそういた存在ではないけどさ。

シン・ゴジラにも、ゴジラの存在理由らしき描写はある。ラストシーンはまさにそれ。しかしその他の監督のテイストが強烈過ぎて、それっぽい描写は霞んで見えた。

一般市民が出てこないから、ストーリー全般が高みの見物。現実味が無く入って行けない。まるでネットで起こる他人事をROMってるような。そんな感じがした。

さいごに

実際に描写するのは難しいかもしれないけれど、原発を破壊して放射能汚染で人間を苦しめるゴジラが見たい。

そのほうがゴジラらしいリアリティがあると思う。

あと、東京に上陸したのなら国会議事堂は踏み潰せ。西新宿のビル群をカラダ使ってなぎ倒せ。

文明を破壊する神がゴジラなのだから。

シン・ゴジラは、街を破壊する放射熱線のシーンは素晴らしかった。しかしそれ意外は意表をつく展開もなく、悪ノリしたオタクが考えたような方法で対処される。監督がやりたいようにやった結果が色濃くでた作品だった。

それではまた。

追記:
「シン・ゴジラはつまらないの?」と聞かれることが増えたので追記。

おもしろいのか、つまらないのか、悩んだ末にこの記事を読んだ人は、おもしろいと感じてくれると思う。

それは私が予備知識無しで見たモヤモヤをここに書いたから。すべてではないけど。

あなたが映画を見て、モヤっと感じたところで「ああ、このことか」と思い出してくれれば、きっとモヤっと感が薄れるはず。

だから、悩んでいるのなら見に行くことをおすすめしたい。

この記事は予備知識無しで見に行った自分が、事前に知っていたら、もっとスムーズに受け入れられたと思うことを書いたものだから。

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