読書感想

謎の本『文庫X』を買った。読んだ。驚いた。

投稿日:2016年9月24日 更新日:

文庫X

いま、不思議な本が売れている。

タイトルは秘密。

内容も秘密。

表紙も見せない。

わかっているのは「小説ではない」「価格は税込810円」ということだけ。

それなのに売れている。

その本の名は『文庫X』



文庫Xとは

絶対に読まないタイプの本ってあると思う。

「これは自分の趣味じゃないな」と思ったら読まない。見向きもしない。

本を選ぶ基準は、著者、タイトル、表紙の絵、レビューの評判などがある。お金を払って買うのだから、そうやって「選ぶ」のが普通だ。

しかし、それでは出会えない本がある。

自分で選んでいたら、興味が向かない本は選ばない。

そして、他人に選んでもらっても、興味が向かない本は、読もうと思わない。

どんなに良い作品でも、他人からすすめられたときに「あ、それ自分の趣味じゃないんで…」みたいに断ってしまうことはある。これは本に限らずゲームや映画などでもよくあることだ。

しかし、どうしても読んでほしい本があったとしたら。

多くの人におすすめしたい本があったとしたら。

どうすればいいのだろう。

本が見えるから拒否される。無視される。

だったら隠してしまえ!

そんな発想から生まれた本が『文庫X』だ。

さわや書店フェザン店の長江さんという方が考えた売り方らしい。すごく大胆だ。

ここまでして読んでほしい本とはどんなものか、気になる。

ということで、池袋の三省堂書店で売っているらしいので買いに行ってきた。けれど。

いや、待て。

いや、これもうなんか、普通におかしい。ヘンだ。異常だ。

だってさ、『文庫X』って、よその書店の店員さんが始めた売り方なんですよ。それをなんで大手の三省堂書店がマネしてるわけ?

おかしいよ。ヘンだよ。

でもいま、全国の書店に広まっているらしい。この『文庫X』が。長江さんに共感した書店が続々と出現している。

『文庫X』始めました 三省堂書店池袋本店

ネット上の「レビュー」が購入の参考にされる風潮が強まる中で、書店員のメッセージだけをよりどころに本が次々と売れていく動きは異例だ。

「文庫X」もう読んだ? 書名や著者名隠して販売:日本経済新聞

本の内容に触れない、書店員の抽象的なメッセージだけで本が売れる背景には、店と客の間で築かれてきた信頼関係があるようだ。

謎の「文庫X」全国に拡散 書名と著者名、紙で隠す 産経フォト

本のタイトルや著者名、ジャンルも版元も全て「ヒミツ」――。手書きの覆面カバーで表紙をすっぽり覆い隠し、あえて「どんな本か」を完全に伏せた謎の文庫本『文庫X』が売れ行きを伸ばしている。

覆面とって初めて本とご対面 謎の『文庫X』が驚異の快進撃 : J-CAST会社ウォッチ

みんななんで買うんだ?

どんな本かわからないのに。

まあ、私も買ったけど。

メッセージ

『文庫X』は、手書きのメッセージが書かれた紙で包まれている。その上からビニールで包装されている。だから立ち読みもできない。

文庫X

三省堂書店ではオリジナルのメッセージのコピーを使用していた。三省堂書店で売ってるのに「さわや書店フェザン店」って書いてある。やっぱりおかしい。

文庫X

見やすいように拡大してみよう。

文庫X

文庫X

文庫Xの中身が気になる。

すごく気になる。

どんな本だろう。

ワクワクしながらカバーを取った。

タイトルを見て、思った。

絶対買わない

絶対買わない

絶対買わない

絶対買わない

絶対買わない

自分の趣味と合わないから。

自分が読むべき本じゃないと思うから。

そして…

読んでみて、思った。

すげぇなこの本!!!

自分が読むべき本だった。

読めて良かった。

ありがとうございます。長江さん。

さて、本書をオススメするとしたら、対象は誰だろう…

ぜひ読んでほしいのは、30代以上の家族持ちか。

あと日本人全員

文庫Xと偶然の接点と感想

私は、この本の内容の一部にリアルで接点があった。

内容を知らずに買った本、しかも「すげぇ!」と思った本の内容に、かつて私も関わっていた。

その関わりは、ほんのわずか。指先に刺さったトゲていどの大きさだけど、その衝撃は全身に届いた。この本の内容すべてが私の全身に響いてしまった。

もちろん、関わりなどなくても十分な読み応えのある本だ。

ん?読み応え?

いや、ちょっと違うな。

「読む意味がある」と言ったほうが良いかもしれない。

う〜ん…

内容を伝えずに感想を書くのは難しい。

内容を書けば「自分、興味ないから」と読んでもらえなくなりそうだし…

あ、だからこういう売り方になるのか。

さいごに

もしも本書に興味を持ったなら、注意してほしいコトがある。

読んだとしても、絶対に内容を晒してはいけない。一言も、単語ひとつ漏らしてはいけない。絶対に。

そして、買う前にやってはいけないこと。それは『文庫X』の正体を検索すること。

どちらの行為も『文庫X』の価値をなくすから。

お買い求めは取扱店舗を調べてみてほしい。
https://twitter.com/SAWAYA_fezan/status/779569041702662148

それではまた。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。