読書感想

本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』はブロガーにも読んで欲しい

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「全国書店員が選んだいちばん売りたい本」を選ぶ本屋大賞は、年に1回、書店員が売りたい、つまりみんなに読んでほしいと思う本を選び順位を付けるイベントです。

書店員が売りたい本というところがミソですね。出版社が売りたい本とはワケが違います。

お客様と近い、あるいは自分自身が客(読者)である書店員が選ぶからこそ、本屋大賞では魅力的な本が選ばれます。

そんな本屋大賞に私が好きな本『桜風堂ものがたり』がノミネートされました。

桜風堂(おうふうどう)ものがたりは、一般の人はもちろん、ブロガーにも読んで欲しいなと思います。

ストーリー

ストーリーについては出版社のPHP研究所のページより一部引用させていただきます。

百貨店内の書店、銀河堂書店に勤める物静かな青年、月原一整は、人づきあいが苦手なものの、埋もれていた名作を見つけ出して光を当てるケースが多く、店長から「宝探しの月原」と呼ばれ、信頼されていた。しかしある日、店内で起こった万引き事件が思わぬ顛末をたどり、その責任をとって一整は店を辞めざるを得なくなる。

傷心を抱えて旅に出た一整は、以前よりネット上で親しくしていた、桜風堂という書店を営む老人を訪ねるために、桜野町を訪ねる。そこで思いがけない出会いが一整を待ち受けていた……。

村山早紀著『桜風堂ものがたり』が本屋大賞にノミネート! | PHP研究所

「ネットで親しくなった」と書かれていますが、これはブログでつながったブロガー仲間です。主人公は書評ブロガーなんです。

書評ブロガーがツイッターの拡散や炎上により店を辞めることになるけれど、その後の人生を変える人との出会いもブログを通したものでした。

もうブロガーは読むしかないでしょ!

というか、本屋大賞にノミネートされただけでもう評価は十分なんじゃないかと。

一年間に発行される多くの本の中のベスト10にランクインしたのですから面白さは折り紙付きです。

ブロガーならではの共感

書評を書くブロガーは多いですよね。

『桜風堂ものがたり』の主人公も自身のブログに書評を書いています。そしてブログ仲間がいます。そのブログ仲間との出会いが物語を展開していきます。

主人公が書店を辞めることになったきっかけはツイッターによる拡散でした。

主人公が救われたのは書評ブロガー仲間との出会いでした。

ネットでつながったひとのチカラを一番感じているのはブロガーではないかと思います。炎上に傷ついたり、オフ会で癒やされたり。

そんなネットのひとのつながりで、人付き合いが苦手な主人公の人生が大きく変わります。『桜風堂ものがたり』は、ブロガーにも共感できる部分がたくさんあると思います。

そして書評を書くブロガーなら本屋さんの実情も知ってほしいと思います。書店員がどんな想いで本を売っているのか、その裏の努力や書店員同士のつながり、初版が少なければ売りたい本も売れない事情などなど。そんな書店の事情もくわしく書かれています。

著者の村山早紀さんは出版社はもちろん、書店員とも交友があるから書店の事情の描写はとてもリアルです。私も書店員の知り合いがいるのでPOPを作る様子などはとても共感しました。私も手伝ったことがあるので。

本とブログはよく似ています。文章を書き、多くの人に読んで欲しいと思う気持ちは同じです。本とブログはつながる部分があると思います。届けたい想い、そのための努力や工夫、ネットの良い面悪い面など、ブロガーだからこそ感じられるモノが本書にはきっとあります。

本屋さんで買ってほしい

『桜風堂ものがたり』は書店員が主人公の物語です。本書の購入を考えている人は本屋さんで買ってほしいなぁと思います。

だって主人公が書店員なんですよ。

本屋さんが舞台の物語なんですよ。

せっかくなら物語の舞台と同じ本屋さんで、主人公と同じ仕事をしている書店員から買ってほしい。それだけで物語の世界にスッと入りやすくなりますから。

そして『桜風堂ものがたり』を読んだあとは、本屋さんを見る目が変わると思います。書店員を見る目が変わると思います。本棚や平積みのしかたを見る目が変わると思います。

きっといままで見過ごしていたレイアウトやPOPに目が行くでしょう。そして、そこに隠れた工夫や想いになにか気づくかもしれません。

『桜風堂ものがたり』を読むと本屋さんがちょっとおもしろく感じると思うからこそ、ぜひリアル書店で買ってほしいです。

映像化の期待も高まります

本屋大賞にノミネートされるとドラマ化や映画化への期待が高まります。過去にも映像化された作品はたくさんあります。

『桜風堂ものがたり』が映像化されたら期待したいことがひとつあります。本書の舞台となる最初の書店『銀河堂書店』は、風早の街にあります。

風早の街は著者の村山早紀さんのファンなら、おそらく誰もが知っている街です。なぜなら、村山早紀さんが書かれる本の舞台は、みんな(と言っていいでしょう。近年の作品はほぼすべて。)風早の街です。(風早の街シリーズと呼ばれています。ちなみに架空の街です。)

私が所有するこの本も、すべて風早の街が舞台になっています。同じ街で違う物語が描かれています。

風早の街が舞台の村山早紀作品

ファンとしては、この風早の街が映像化されたあかつきにはチラっとでもいいから他の作品のキャラを出してほしいなぁと思います。ねぇ先生。

同じ街が舞台になっているから、村山早紀さんの本は他の作品の世界にも入りやすいです。この街でこんどはどんな物語が展開されるのだろうと考えただけで新作が楽しみになります。

さいごに

桜風堂ものがたり登場人物

村山早紀さんの本は、かたくるしい言い回しや、難しい表現、読みにくい漢字がないので読みやすいです。文章がとてもやさしいです。なので小説が苦手な人に読みやすいと思います。

書店員がおすすめする本屋大賞ノミネート作品『桜風堂ものがたり』は、ブロガーにも読んでほしい。

きっと本屋さんを見る目が変わります。

ブログの影響力に共感する部分もあると思います。

どうしてもリアル書店で購入できない人のためにリンク貼っておくけど、できれば本屋さんで買って!

それではまた。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。