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フィルムとプリントの色は店によって変わります

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デジタルカメラ全盛の時代にフィルムカメラが人気のようで、なんとも不思議な気分です。

かつて写真業界に見を置いた20年間のほとんどがフィルムとの付き合いだったので感慨深いものもあります。

フィルムをはじめたばかりの人は、その独特の世界観に魅了されるのでしょうね。

で、ちょっとフィルムに関係するはなしを書いてみたくなりました。



フィルムの色はひとつじゃない

フィルムは現像処理が欠かせませんが、この「現像」の処理はとても厄介なものです。

同じフィルムでも、現像機の種類や管理状態によって現像結果は変わります。発色、シャープネス、コントラストなどが変わります。

基本的には現像方法の規格(ネガフィルムならC-41など)が定められているので大きく変わることはありません。この違いを認識できるかは個人の感覚にも左右されるので、ひとによってはまったく気にならないかもしれません。

ネガフィルムの場合、一般的にはコンシューマー向けの現像機で処理します。ミニラボと呼ばれる小型のものが多いですね。写真屋さんに置いてあるのがミニラボです。

ちなみにプロ用の現像機はミニラボよりも大きいです。初めて見るとびっくりするかも。ってくらい大きいです。たっぷりの現像液にゆっくり浸すことで安定した現像結果が得られます。お値段はそれなりに高いけど。

一般向けのミニラボにも種類があって、その大きさの違いは2倍くらい。

なんでそんなに大きさが違うのかと言うと、時間あたりの処理可能本数に違いがあるんです。

お店によってフィルムの処理量が違うので、その量に合わせた機種を選ぶのですね。小さい現像機は処理能力が小さいので、一日に処理できる本数が少ないです。(ようするにお客様が少ない店用)

大きい現像機なら混雑時にも対応できて良いんじゃない?と言いたいところですが、現像機は「大は小を兼ねる」とはいかない理由があります。(ココすごく大事です)

フィルム現像機の中には現像液が入っています。

現像液は一定の温度で保たれています。(だいたい40度くらい)

液の状態が均一になるように循環ポンプでかき混ぜています。

そして、現像液は時間が経つと劣化します。

フィルムを現像をしないと劣化します。

フィルム現像機にフィルムをセットすると、新しい現像液を補充するポンプが作動します。現像機の中にあった古い現像液は廃液タンクに排出されます。

この現像液の循環サイクルが一定を保てないと現像液は劣化する一方なんです。なので一日の処理本数に合った現像機を選択する必要があるんですね。

さて、ここで問題です。現実によくある問題です。

昔は繁盛していたから大きめのミニラボを導入したけれど、いまはお客様が減って、処理本数が少なくなった店が多くあります。

その現像機は大丈夫でしょうか?

現像液は劣化してないでしょうか?

現像液の劣化を防ぐ方法のひとつに「電源を落とす」という方法があります。電源を落とすとサーモスタットが止まり、現像液の温度は下がります。現像機内の液の循環ポンプも止まります。こうすると液の劣化もしにくいです。

「現像機の電源を落としている店は要注意」とまでは言いませんが、良好な現像結果を得るためには、繁盛している店(処理本数がそれなりにある店)を選ぶ。という考え方もアリかもしれません。

利用客が多い店は、現像結果も安定している。と言って良いと思います。

自家処理をやってない取次店(大型ラボへ現像依頼する店)の場合、判断が難しいですが、フィルム現像に限って言えば(ほぼ)安心して良いかと思います。このタイプを見極めるのはちょっと難しいので割愛します。ただし、プリントは話が別です…

プリントの色もひとつじゃない

ミニラボを導入しているお店ではプリンターも設置しています。まあプリントもやるよね普通。

プリンターと言うとインクジェットプリンターをイメージする人も多いと思うけれど、写真用のプリンター(銀塩プリント)は、フィルム現像と同じように現像液を使用します。なのでフィルム現像機と同じ問題が発生します。

さらに、銀塩プリントでは、印画紙の種類によって、発色、シャープネス、コントラストなどが変わります。

さらにさらに、プリンターの画像処理の設定によっても、発色、シャープネス、コ…以下同文。

さらにさらにさらに、プリントオペレーターによっても、発色、シャー…以下同文。

プリントオペレーターはプリンターを操作する人。プリンターのプログラムで良好な結果が得られなかった場合、人が判断して補正を加えます。機械では正確な判断に限界があるからです。安いプリントではオペレーターを使わずに、すべて機械任せです。当然、色もそれなりです。大型ラボへの取次店でプリント価格が安い場合、機械任せのケースが多いです。だから安いんですけどね。

厳密に言うと、同じフィルム、同じプリンター、同じオペレーターでも、朝と夕方で色が変わることもあります。この違いが出ないように、一日に何度も色の調整をする店もあります。

これらの理由から、銀塩プリントは一発で良好な(希望通りの)色を出すのはとても難しいんです。

それを知らないと、写真屋さんから受け取った色を「本当の色」と認識してしまいそうです。というか、そういう人は多いでしょう。

一発で良好な結果を得ることが難しいため、何度もプリントをやり直す店もあります。店によっては出荷基準が厳しく定められていて、不安なときは他のオペレーターにも意見を求めたりします。

銀塩プリントで残念な色調だった場合、もしかしたらプリントをやり直せば、もっと良い色に仕上がるかもしれません。

部分的な濃度や色調の補正の指定は難しいけれど、「もう少し明るめに」とか「青みをおさえて」などの全体的な補正なら対応してくれる店も多いでしょう。(自家処理の店なら)

さいごに

フィルムの人気はとても嬉しいです。フィルム時代の人間なので。

できれば現像処理について知識を深めてもらって、少しでも残念な結果を回避していただけたらなぁと思います。

あと、フィルムを楽しむために一番良い方法は、写真屋さんと仲良くなることだと思います。

写真屋さんの店員にもいろんな人がいるけれど、店主はだいたい写真好きです。嫌いでできる商売じゃありませんから。相談にものってくれる人は多いです。これは私が200店舗以上の写真店と付き合ってきた正直な感想です。

ぜひ、気の合う写真屋さんを見つけて、フィルムのおもしろさを深く堪能していただきたいです。

それではまた。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。