雑記

こどもが自殺したら…

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イジメを苦に自殺をする子供のニュースを見るととてもつらくなる。

そんなとき自分のこどもを見て想像する。

悪いクセとわかっていながら想像してしまう。

リアルに

ニュースでは、出来事のほんの一部しか伝えられない。だからニュースを見た(読んだ)だけでは感じられないコトがある。

私はニュースでは見えない問題を意識するために、できるだけ自分に置き換えて詳細にイメージするときがある。あくまでも擬似的なイメージでしかないし、当事者でなければ真実はわからないけれど。

物事を自分の立場で考える人は多いと思う。しかし私の場合、前職の影響でより強くイメージしてしまうクセがある。その理由はこの記事の最後に説明している。

深くイメージするとニュースでは感じられなかった恐ろしい現実が脳裏に現れる。

もしかしたら、頭がおかしいと思われるかもしれない。そこまで考えなくてもと思われるかもしれない。たちの悪い妄想と言えばそれまでなのだけれど。しかし、ここから先に書くイメージは、私が自分の子供との接し方を考える糧にしている。

※ここから先は人によっては気分を害するかもしれません。特にお子さんを亡くされた経験がある方は不快に感じるかもしれません。読まれる方はお含みおきください。

イメージする

気になる女性がいる。

思い切って声をかけてみた。

気が合った。

仲良くなった。

デートに誘った。

親しくなってきた。

お互いに惹かれ合っているのがわかる。

結婚したい。

一緒に暮らしたい。

人生を共に歩みたい。

プロポーズをした。

OKをもらえた。

やった!

人生で最高の幸せを感じる。

幸せだ。

こんな自分が結婚できるなんて。

夢のようだ。

家庭を作ろう。

こどもがいる家庭を想像する。

生きる喜びを感じる。

同時に責任を感じる。

仕事も頑張らねば。

結婚式を上げた。

友人から祝福された。

新婚生活が始まった。

毎日が幸せだ。

お互いに同じ事を思っている。

赤ちゃん欲しいね。

望んでもできない場合があるらしい。

焦らず待つ。

信じて待つ。

ケンカした。

話し合った。

お互いを尊重した。

仲直りした。

よかった。

本当によかった。

幸せを保つのは簡単じゃない。

理解し合う努力も必要だ。

好きなだけでは足りない。

大人にならねば。

妻が妊娠した。

親や友人に報告した。

みんなから祝福された。

俺も親父になるのか。

感慨深くなる。

ちゃんと育てられるか。

不安になる。

たまご倶楽部を読みまくる。

ひよこ倶楽部も買ってみる。

俺も育児に参加するぞ。

一緒に育てるんだ。

感動が押し寄せる。

また不安になる。

できるのか?

こどもを育てる?

今の給料で足りるのか。

不安になる。

でもやるしかない。

つわりは苦しそうだ。

いま動いた!と言われた。

お腹を触ってみる。

動いてる!

エコーを見せてもらう。

何かが見える。

エコーを見せてもらう。

大きくなっている。

エコーを見せてもらう。

人間のカラダになっている。

男の子だ。

育児用品を買い込んだ。

なんて小さい服だ。

なんて小さい靴下だ。

すべてが小さい。

こんなに小さいのか。

ベビーベッドを組み立てた。

ガラガラがかわいい。

名前を考える。

将来を想像して考える。

優しい人になってほしい。

強い人になってほしい。

幸せになってほしい。

願いを込めて考えた。

何度も何度も考えた。

育児の本を買った。

勉強した。

家庭の医学を買った。

勉強した。

安心はできない。

無事に生まれない場合もある。

健康に生まれてくることを祈る。

障害を持って生まれたときの覚悟を決める。

責任を持って育ててみせる。

生きて生まれてくれることだけを祈る。

とにかく祈る。

祈る。

祈る。

お知らせが来た。

出産に立ち会った。

オギャー!オギャー!

鳴き声を聞いた。

真っ赤な顔。

小さな手。

とても小さな手。

俺の親指を力強く握った。

ギュッ!と握った。

「とうさんだよ」

涙が出た。

泣いた。

俺のこどもだ。

俺のこどもだ!

恐る恐る抱っこする。

グニャっとするカラダ。

慌てて首を支える。

体温が熱い。

生まれて来てくれてありがとう。

家に連れ帰る。

ここがキミの家だよ。

出産祝いをもらった。

みんなありがとう。

ミルクを飲ませる。

ゲップをさせる。

よく寝てる。

首が座ってきた。

恐る恐る沐浴する。

体を拭く。

ベビーパウダーを付ける。

オシッコされた。

オムツを付ける。

服を着せる。

鼻水を取る。

耳垢を取る。

ツメを切る。

白湯を飲ませる。

夜泣きに悩まされる。

泣き止まない。

なぜ泣いているのかわからない。

オロオロする。

イライラする。

抱っこして歩き回る。

たくさん話しかける。

子守唄を歌う。

へんな顔をしてみる。

笑った。

俺も笑った。

笑顔に癒やされる。

この命を守らねば。

小さくても人間だ。

俺が守らねば。

守らねば。

離乳食を食べた。

うんちが臭い。

お誕生日おめでとう。

重くなったなぁ。

絵本を読んだ。

部屋はこどものものでいっぱいだ。

すべてがこども中心で動いている。

一緒に昼寝する。

お腹の上で寝るこども。

寝顔がかわいい。

たまらなくかわいい。

子宝とはよくいったものだ。

俺の宝物だ。

かけがえのない宝物だ。

いま喋った気がした。

なんでも口に入れて困った。

高熱を出した。

激しく泣いている。

苦しそうだ…

救急車を呼んだ。

早く来てくれ!

病院が見つからない。

2つ隣の街の病院へ行った。

頼むから無事でいてくれ。

神様、俺の命と引き換えにしてくれ!

俺はいいからこの子を。

助けてください。

とにかく祈った。

必至に祈った。

徹夜で看病した。

回復した。

寿命が縮まった。

つらい。

みんなこんなこと経験してるのか。

親がしっかりしなければ。

弱音を吐いてちゃダメだ。

ハイハイができた!

おでこをぶつけた。

部屋中の柱にクッションを付けた。

立った!

椅子に登って慌てた。

オモチャを投げつけられて痛い。

いたずらに困った。

「とうしゃん」

喋った!

喋ったぞ!

歩き回るようになった。

目が離せない。

それは触っちゃだめ!

泣かれた。

ごめんね。

愛してるよ。

公園で遊んだ。

砂場で山を作った。

かけっこをした。

鬼ごっこをした。

満面の笑みを見せる。

楽しいね。

手をつないで歩いた。

肩車をした。

すごい喜びようだ。

それはお気に入りの石かい?

保育園に入った。

お遊戯が上手だ。

うちの子が一番かわいい。

運動会は凛々しかった。

名前が書けるようになった。

左右が逆さだよ。

俺の絵を描いた。

宝物が増えた。

大事にしまっておこう。

病気を貰ってきた。

年少組に気遣いができた。

すっかりお兄ちゃんだ。

自転車に乗る特訓をした。

こどもに叱られた。

今度の休みはどこに行こうか?

小学校に入った。

6年生は大きいなぁ。

あんなに大きくなるのか。

机を買った。

ランドセルは祖父母が買ってくれた。

漢字を覚えた。

算数を覚えた。

アサガオを育てた。

夏休みに旅行へ行った。

お祭りに行った。

盆踊りを踊った。

はしゃぎすぎだよ。

写真が増えた。

風邪を引いた。

友達とケンカした。

ひとりで風呂に入るようになった。

泳げるようになった。

授業参観に行った。

照れくさそうだ。

テレビで大笑いしてる。

ゲームばかりしない!

遠足は楽しかった?

テストで100点をとった。

好きな娘ができたらしい。

鼻歌が聞こえる。

なんだか嬉しい。

もう卒業か。

中学生になった。

制服が大きい。

クラブは何にする?

宿題を手伝った。

修学旅行は心配だ。

お土産品ありがとう。

身長が追い越されそうだ。

将来の夢を聞いた。

父の日にプレゼントを貰った。

涙をこらえた。

この子はどんな大人になるのだろう。

どんな仕事をするのだろう。

結婚はできるだろうか。

こどもの将来を想像するのは楽しい。

こどもの将来を想像するのは不安だ。

幸せになれるだろうか。

幸せになってほしい。

声変わりした。

好きなアイドルがいるようだ。

ファッションに気を使うようになった。

反抗するようになった。

生意気なところが少し嬉しい。

会話が減った。

少し寂しい。

そういう年頃か。

しばらく様子を見よう。

父さんはいつでもキミの味方だよ。

こどもが自殺した。

遺書が見つかった。

こどもの字だ。

どんな気持ちで書いたのだろう。

息が詰まる。

原因はイジメのようだ。

気付かなかった。

学校はイジメはないと言った。

葬儀をした。

動かない。

なぜこうなったのか。

わからない。

何もわからない。

何も考えられない。

火葬場へ行った。

待ってくれ!

こどもは焼かれた。

こどもは骨になった。

こどもの骨。

灰になった骨。

こどもが灰になってしまった。

俺のこどもが灰になってしまった。

もしもこんなことが起こったら

私は想像する。

もしも自分のこどもが、ある日突然自殺したら。

それまで一緒に生きてきた時間はなんだったのだろう。

たくさんの幸せな時間はなんだったのだろう。

子供の自殺のニュースをみる度に思う。

親はどんな気持ちだろう。

しかしニュースでは自殺したところまでしか伝えない。

人間は火葬をすると骨だけになり灰となる。

長い間、愛し、育て、成長を見守ってきたこどもが骨だけになり灰となる。

その骨を箸で持ち上げ骨壷に入れる。

自分のこどもの灰になった骨を箸で持つ。

その想いはどれだけ辛いものか計り知れない。

イジメは自殺した子供とその家族の人生を台無しにする。

こどもの人生と共に親の人生も台無しにする。

すべての時間を台無しにする。

この悲劇が起きないようにするために何ができるだろう。

早期の発見と防止のためにできることはなんだろう。

さいごに

私は写真屋時代にプリントオペレーターをしていた。写真をプリントして品質のチェックをしていた。

プリントオペレーターはすべての写真に目を通す。品質チェックのためにすべての写真を見る。そこにあるのは楽しい写真ばかりではない。

ときには葬儀の写真も依頼される。

葬儀の写真では一部始終を撮影する人もいる。その一部始終をチェックする。一部始終を私は見る。

長年続けていた仕事だから遺体の写真に動揺することはないけれど、まれに見る子供の写真はきつい。

とてもきつい

写真の内容に感情移入してはいけないのだけれど…

それでもその写真を受け取りにくる遺族の前では表情を変えずに接客をする。淡々と接客をする。なにも見なかったように。なにも感じなかったように。

プリントオペレーターは人の一生の出来事を何度も見る。

恋人の写真
結婚式の写真
妊婦の写真
出産の写真
子供の写真
誕生日の写真
入学式の写真
卒業式の写真
旅行の写真
家族の写真
そして葬儀の写真

あらゆる写真を何度も見る。毎日見る。

何千何万と見てきたその映像の記憶が過剰なイメージを作る。

自分の経験と重なり具体的なイメージを作る。

悪いクセだとわかっていながら想像する。

原因が何であれ、こどもを亡くす悲しみは計り知れない。

病気や事故でこどもを亡くしたとしても、容易に運命だからと受け入れられるとは思えない。原因がイジメだとしたらなおさらだ。

悲しみと怒りの矛先が存在するのなら、きっと受け入れられない。

そのとき自分はなにをするだろう。

死ぬ決意をするほど、こどもを苦しめた存在になにをするだろう。

いや、そうなる前に、そうならないように。

こどもが自殺しないために、できることを考えたい。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。