子どものころは駄菓子屋に通うのが日課になっていた。
それは今から約40年前のはなし。
その駄菓子屋には飲み込んではいけない駄菓子が売っていた。
普通の駄菓子もあったよ
約40年前といっても、駄菓子の種類は大きく変わらないと思う。子どもたちの好みは変わっていると思うけど。
麩菓子
当時の定番の駄菓子は麩菓子だ。一本20円だったと思う。良質な麩菓子の選択のポイントは色が濃いものを選ぶこと。子どもながらに色の濃さで品定めをした。
子ども時代は金がない。一本20円の麩菓子を友達と10円ずつ出し合って2つに折って食べたりした。
友情は駄菓子屋で育まれた。
あんこ玉
あんこ玉も定番だった。直径約1cmほどの小さいあんこの固まりの中に、BB弾より少し大きい白い玉が入っていたら当たり。当たりが出ればもらえる直径3〜4cmほどの巨大なあんこ玉は、キングスライムのような風格があった。
小さなあんこ玉をつまむとき、そっと潰して白い玉の存在を探る。柔らかければハズレ。ハズレを察知したら隣のあんこ玉に乗り換える。
腕を引くまでは品定め期間(と勝手に自分ルールを作って)店主にバレないようにそっと潰す、そんなスリルが味わえるのも駄菓子屋の良さ。しかしそこで正義感の強い友達がとつぜん歌い出す。
「いーけないんだ、いけないんだ!せーんせいに言ってやろ!」
倫理は駄菓子屋で教わった。
よっちゃんイカ
他にも定番と言えば、よっちゃんイカがあった。
スルメじゃないよ酢漬けだよ
実は私はよっちゃんイカを食べたことがない。よっちゃんイカはザリガニのエサだと思っていたからだ。
「ザリガニ釣りに行こうぜ!」
「いいよ!じゃ、よっちゃんイカ買いに行こうぜ!」
これが普通の会話だった。
駄菓子屋は応用力を鍛えてくれる。
粉ジュース
粉ジュースはラムネに入れて飲む。
ラムネは粉が入る分だけに少し飲む。
粉ジュースの封を歯で切る。
ラムネの瓶を真っ直ぐに持つ。
足を少し開いて構える。
粉ジュースを注ぎ込んだら速攻でラムネの瓶に口をつける。
吹き上げる豪快な泡の勢い
泡に負けずにゴクゴク飲む
苦しくても飲む
泡の勢いに負けて口が瓶から離れたら根性なしだ。
これが昭和の遊びだった。
最近はコーラにメントスを入れる遊びがあるらしい。
フ…
駄菓子屋の遊びはいつだって最先端だ。
飲み込んではいけない
ここからが本題。
昔の駄菓子屋には怪しい食べ物があった。貧乏な時代だからこそ生まれた不思議な食べ物。その中でも特に怪しかったのが
ニッキ紙
その名の通り、紙だ。
紙だから食べられない。
紙だから飲み込んではいけない。
噛んだら捨てる。ガムのようなものだ。紙だけど。
写真を探したけど、なかなか見つからなかった。
まんだらけオークションの出品と、ひょうご歴史ステーションに貴重な写真が掲載されていたのでお借りした。その写真がこちら。
私が当時買ったのはこちらと同等品↓
まんだらけオークション | 高野製菓 肉桂紙 (ニッキ紙)
紙に毒々しい鮮やかな緑とピンクの色で絵が描いてある。これが駄菓子屋で売っていたのだ。
まんだらけオークション | 高野製菓 肉桂紙 (ニッキ紙)
※食べ物です(飲まないけど)
安全性については「衛生試験所検査済色素使用」だそうだ。安全は折り紙つき。
私は力士のイラストのニッキ紙を買った記憶がある。なんか強そうだったから。それ以外の意味なんてない。意味なんて求めてはいけないのかもしれない。すべての絵が、ほんとうに意味がわからない。でも味わい深い絵だ。
ニッキ紙は噛むと甘い。
ただ、甘い。
砂糖水を紙に染み込ませて乾燥させたようなモノだ。
甘い以外は何もない。だって紙だもん。
ニッキ紙は大きい。私が買った力士のニッキ紙は36cm✕13cmだったと思う。
大きいから手でちぎって食べる。というか噛む。
しかし子どもの手は汚い。
泥で汚れた汚い手でちぎった紙を口に入れるのだ。
手はだんだんベタベタする。
甘みが無くなったら吐き捨てる。そのへんに。
ベタベタの手でまたちぎる。
ニッキ紙1枚を食べ終わる頃には手がキレイになっている。ベタベタだけど。
その手で他の商品も触るのだ。
そう、あんこ玉もね。
親が駄菓子屋なんかに行くんじゃないと言った気持ちが今になってよくわかる。
昔の駄菓子屋は汚かった。めっちゃ汚かった。
さいごに
ちょっと寒気がしてきた。
それではまた。
この記事について
この記事は、もふまん (@neet_me)さんが書かれた以下の記事に触発された複数のブロガーのノリと勢いに乗っかって書きました。
急な来客も泣いて喜ぶ。なつかしいお菓子「ルマンド」をレビュー。 | モフログ
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