給与計算・総務事務

会社が副業を禁止にする理由【追記あり】

投稿日:2015年10月18日 更新日:

副業を禁止している会社ってありますよね?

なんで副業禁止なのでしょうかね?

副業くらいいいじゃん!って声が聞こえてきそうですが、私が経営者なら副業は原則禁止にします。

ここはひとつ、私が考える副業禁止の理由を書いてみますね。



副業は悪いことではないと思います

まずはじめにことわっておきますが、私は従業員が本業以外の仕事で収入を得ることには賛成です。

専業以外の分野の経験は、広い意味で本業の役にもたつと思うし、従業員自信も幅広い知識や経験が積めるので良いと思います。

本業に縛るのはよくありません。

もっと自由に副業できるといいですよね。

私が経営者だったら副業は原則禁止

私は、たとえ経営者になったとしても、従業員が副業をすることを悪いことだとは思いません。

先述の考えはまったく変わりません。

しかし、私が経営者だったら副業は原則禁止にします

なぜ副業を原則禁止にするのか?

その理由は勤怠管理が困難になるからです。

1日の勤務時間は8時間まで

この記事を読んでいる人なら労基法の基本的なルールは知っていますよね?

1日8時間以上は労働させてはいけないとか、週40時間を超えてはいけないとか。これらを超えて労働させる場合は三六協定が必要とかいうアレです。

ということを踏まえて話を続けます。

1日の労働時間が8時間を超えると残業扱いになります。よね?

これ、なんでですかね?

残業代を払えば良いというものではありませんよね。基本的に1日8時間を超えてはいけないんです。

これ、疲れちゃうからですよね?

疲労を蓄積しないためには1日8時間までにしましょうということですよね。

副業含めて1日8時間を超えない配慮が必要です

さて、会社が副業を許可するとしましょう。

本業の勤務時間はいままで通り『1日8時間まで』とできますかね?

これ、やっちゃだめですよね?

だって、この従業員は副業でまだ働くんだから。この人の労働時間が1日8時間超えてしまいます

これでは疲れちゃいますよね。

それをわかっていて本業で1日8時間働かせるわけにいきません。

もしも副業で1日2時間働く場合、本業は6時間までしか勤務させられないんですよ。知ってて許可しているのなら。

それがマトモな経営者じゃないですか?

副業されると勤務時間の調整が難しい

会社が副業を許可する場合、その副業の労働時間は無視できません。

副業の労働時間を考慮したうえで本業の勤務時間を考えなくてはなりません。これを無視して本業で1日8時間働かせて、疲労で倒れた場合、従業員本人の責任だけではすまされません。

しかし現実的には副業の労働時間や疲労度などは計り知れませんよね。メンタルケアも難しくなります。

だから私が経営者だったら、副業は原則禁止にします。

あえて『原則』と言っているのは、勤怠管理がきちんとできるなら良いと思うからです。何が何でも許さないというわけではありません。

さいごに

『会社が副業を認めてくれない』と不満を感じている人は多いと思います。

『副業を認めてくれる会社は理解がある』と思ってしまうかもしれません。

従業員の労働時間はその個人のトータルの時間で考えなければ適正な勤怠管理はできません。しかし、この管理はとても難しいです。

従業員の健康を大切に考えて、労基法の意味をしっかり守ろうと思えば、副業を安易に許可することはできないと思います。

こういう考え方もあるということです。

それではまた。

― 追記 ―

当記事に対するコメントを、はてなブックマークをはじめ、他のソーシャルブックマークやブログなどで拝見しました。いろいろな意見がありますが、否定的な意見も含めてとても勉強になります。ありがとうございます。

コメントを参考に追記させていただきます。

就業時間外の活動の管理、制限などについて

仕事が終わればあとは何をしようが個人の自由です

本業に支障がなければボランティアも趣味もゲームも自由です。これはあたりまえのことです。

疲労を事由に検討しなければならないと考えたのは就労です。労基法により管理が必要な活動については個人の自由に任せるのではなく、会社も協力して心身の保全が確保できる対策をとるべきだと考えます。

『原則禁止』という表現について

禁止という表現を使ったのは、相談もせずに無理に副業をはじめて疲弊するようなことがないようにしたいからです。

副業をする理由は様々です。経済的な理由だけでなく、スキルアップのために他の仕事を経験したい、兼業で起業してみたいなど人それぞれです。

個人の人生が豊かになることを目的としてはじめるのであれば、とてもすばらしいことだと思います。世の中も良い方向に発展しそうです。

しかし、その活動のために本業が足かせになってしまっては残念です。まずは相談してほしい。というおせっかいな考えで禁止としました。

もちろん、本業に支障がなければ法的拘束力などないはずです。自分ですべてを管理できるのであれば『自由にやる』という考え方があっても否定しません。

環境支援

たとえばネットで副業をする人には、ワーキングスペースを会社で提供できたら良いと思います。イメージ的には自習室のようなものです。使わなくてもかまいません。

副業のためにパソコンを買う必要はありません。管理面での課題はあると思いますが、ハードやソフト、インフラが用意されているだけでも利用価値はあるのではないでしょうか?

ネットの副業で身につけた技術と知識を本業で活用してもらえたら会社にとっても有益です。

収入アップ支援

そもそも給与が少ないために副業をしている人は多いと思います。

経済的理由で本来はやりたくない副業を強いられているのであれば、本業で十分な収入を確保できる対策を考えるべきです。これは経営者が主体に考える問題だと思います。

収入不足が理由で副業をするのは個人のみならず会社にとっても良いことではありません。そんな会社じゃやる気もでませんよね。

たとえば資格を取得して質の高い仕事ができれば資格手当のような方法で収入を上げることができないでしょうか?会社は資格取得支援制度を設けて個人のスキルアップ支援ができないでしょうか?

先述のワーキングスペースで身につけた技術と知識を活用して新しい事業をはじめることはできないでしょうか?

他にもなにかないですかね?

簡単にできない事情もあると思いますが、昨日と同じ仕事をしていたら給与は変わりません。かといってダラダラ残業されたら会社にとっては不利益です。

会社は十分な給与が支給できる仕組みや環境を用意し、従業員はそれらを利用して価値の高い仕事をする。こんな流れができたら良いと思います。

副業と厚生年金保険

収入が少ないという理由でやむなく副業をする場合、本業で収入を上げた方が良い理由には厚生年金も絡んでいます。

会社で加入する厚生年金保険は個人年金よりも保障が手厚いです。

この厚生年金保険は、納める保険料が高いほど将来受け取れる年金額などが多くなります。

このことからも本業一本で収入を得た方が得なのではないかと思います。

追記のさいごに

勤怠管理について変形労働時間制などを考慮してないのは説明を簡略化するためです。いまはいろいろな働き方がありますよね。業態に合わせて無理のない勤怠管理ができると良いと思います。

『禁止』と言われるとなんか嫌ですね。『条件付き許可』もなにか違う気がします。なにか良い表現があるといいのですが私のボキャブラリでは思いつきませんでした。

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ケンちです。約20年ほど写真業界にいました。いまはIT系企業で主にITとは関係ない仕事をしている普通の人です。Twitterによく出没しています。