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高精細な大画面が眼に悪い理由

投稿日:2014年2月25日 更新日:

液晶ディスプレイの性能が上がって、精細な映像が楽しめる時代になりました。

キメ細かい映像の美しさに関心する一方で、それって大丈夫なの?と不安を感じます。

高精細、高密度、高画素などのスペックを表す数値と比例して、性能も高いと評価されるようですが、そのスペックが人間の持つ画像認識能力を超えたとき、意味がないばかりではなく、肉体的な負荷を与える危険があるように感じます。

特に大型液晶モニターの高精細化には疑問を感じます。




例えてみると、音声を100倍速で再生することは技術的に可能だと思いますが、普通の人には聞き取れません。

そんな音声を聞かされ続けてもただの苦痛です。

目的を達成できなければ意味がないばかりか、苦痛を感じるようであればその技術は問題です。

そんなことをふまえつつ、大型液晶モニターの高精細化について考えてみたいと思います。

キメの細かさを表す単位

高精細って何だろうとシンプルに考えると「キメが細かい画像」をイメージします。

キメの細かさは dpi という数値で表されることがありますね。

dpi =ドットパーインチ

ドット(点)/インチ ということですね。

1インチ(2.54cm)の中にいくつ点を描画できるかということです。

スキャナーなどの入力機器や、インクジェットプリンターなどの出力機器のカタログに書いてあります。

ちなみに一般的なファックスの解像度は200dpiです。

2.54cmの中に200個の点が描けるキメの細かさということです。

ファックスの文字は少しギザギザ感がありますよね。

人間の目は300dpiくらいになるとギザギザ感を感じにくくなるようです。

キメの細かさは距離に影響します

ギザギザ感が無いほうが、なめらかで綺麗な画像と感じますが、これは見る物との距離も影響します。

ファックスの画像でも遠目にみればギザギザは判別できなくなります。

遠目で見る画像といえば、ビルの屋上や壁面に設置した看板があります。

業界の人なら知っていますが、あの看板の画像は近くで見るとかなり粗いです。

でも遠目で見ることを前提にしているので問題ありません。

大きな画像といえばバスのボディに貼った広告もそうですね。

ある程度離れて見ることを前提にしているので結構画が粗いです。

バス広告(バスラッピングといいます)では80dpiくらいのものもあります。

この場合、ファックスの倍以上粗い点で描画しているということです。

大画面は適度に粗いほうが目に優しい

ビルの屋上や壁面の看板は近くで見ることはありませんが、バスは近くで見ることができます。

んじゃあバスも頑張って高解像度にしたら?と思うかもしれませんが、巨大な高解像度の画像を見ると目が疲れるという問題が起こります。

そもそも、自然界にある物の形や模様はそれほど精細ではありません。

拡大して見れば微細な世界というものもありますが人間の目には通常見えません。

単純に視力の衰えという問題もありますが。

映像の入力デバイスとなる目と、映像を処理する脳も、必要のない情報は受け入れないようになっているようです。

視界の外側付近はカラーではなくモノクロで脳内処理されているのも、形だけわかれば色は要らないでしょ?という無駄な処理を省くしくみが働いているのだと思います。

人間の目で認識できないほど細かい映像(うぶ毛の一本一本とか)までを精細に拡大印刷された画像はなんだか不自然です。

このような自然に見ることがない精細な画像を見ると目と脳が疲れます。視力5.0とかの人は疲れないかもしれません。

普通は疲れてしまうので、大型の印刷物は技術的に高精細な画像で出力できたとしても、対象物との距離を想定して、人間が不自然に感じない適度な粗さにすることで目にやさしい画像を作っています。

巨大な液晶は大丈夫?

技術力をアピールするために「高精細」とか「高解像度」というキーワードが使われますが、それが本当に良いこと、便利なことかは別問題です。

パッと見は綺麗でも、長時間見続けると思いもよらない障害が発生するような気がします。

3Dゲームで酔った経験がある人もいますよね。

ポケモンの事件を覚えている人もいるでしょう。

不自然な映像が与える肉体的な影響の問題は、ディスプレイの進化と平行して考えなければいけないと思います。

さいごに

新しい技術は魅力的です。

Googleグラスが欲しくてたまりません。

3Dの技術もまだまだ進歩するようです。

でも、それって大丈夫なの?

肉体的限界を超えてない?

今回は人が見て疲れない解像度で出力する、という配慮をしていた広告業界の出力屋さんの言葉を思い出して投稿しました。

ちなみにノートPCやモバイル端末の液晶モニターは間近で見るものです。こちらは大型ディスプレイとは反対に、まだまだ高精細化が進んで欲しいところです。

液晶はドットが方眼状になっているため、垂直と水平はまっすぐな直線が描けますが、少しでも斜めになると、どうしてもボギザギザ感が出ます。

このギザギザ感をぼかして誤魔化す技術(アンチエイリアシング)が不要になるところが高精細化の終着点かなと思います。

解像度に関する補足

ディスプレイモニターの解像度は dpi ではなく ppi という単位で表します。

ppi = ピクセルパーインチ

dpiと似てるけとちょっと意味合いが違います。

ディスプレイモニターは1つ1つの点が単独でフルカラーを表現できます。

一方、インクジェットプリンターなどは複数の色を組み合わせてフルカラーを表現します。

なので、ディスプレイモニターの1ピクセルの色を出力するために、インクジェットプリンターは4ドットや6ドットなど複数の点を使います。

この辺を踏まえると話がややこしくなるので今回は dpi という表現に統一して書きました。

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