家を建てるときに、高齢者のこと(将来の自分?)を考えてバリアフリーを検討すると思います。
今現在、高齢者と同居している場合は、その方の健康状態などを考慮してバリアフリーの設計すればいいと思いますが、将来のためのバリアフリー対策なら、床の段差はあったほうがいいらしいです。
そう、床には段差があるほうが良いんです。
現役介護ヘルパーの母の教え
私の母は70歳の介護ヘルパーです。介護する相手の方が年下だったりします。
自転車でめっちゃスピード出して走るスーパーおばあちゃんです。
そんな母が、こんなことを言っていました。
世間の人は勘違いしているんだよ。
バリアフリーとか言って、床の段差をなくすから足が上がらなくなるんだ。
足を上げなくていい生活をしていたら足が上がらなくなるんだよ。
だから動けるうちから段差がない家に住んではいけないよ。
段差がある家に住めば毎日リハビリしているのと同じなんだよ。
段差がない家に住んでいると、絨毯の段差でもつまずくようになっちゃうよ。
バリアフリーでカラダを悪くしているんだからバカみたい。
動けなくなってから段差をなくせるようにすればいいのに。
なるほど…
介護の現場を知っている人のリアルな言葉に納得
介護ヘルパーをやっている母の言葉はリアルです。訪問先では本当に絨毯につまずく(母より若い)老人がいるそうです。
室内に段差がないバリアフリーは、事情を深く知らない(知る由もない)人が、「きっといいだろう」という思い込みから生まれたものなのでしょう。
そんな、一方的な思い込みで造られた住宅に母は疑問を投げかけました。まわりを見渡せば、世の中にはそんな「思い込み」だけで造られたものが多いのかも知れません。
車いす用のスロープも、実際には使えないものもたくさん見かけます。モノの有効性は理屈だけで考えずに、十分な検証が必要なのでしょう。
スーパーおばあちゃんは私の先生
母は介護の知識が豊富なのでいろんな話を聞かせてくれます。教科書には載ってない知識です。
話が長いですが、一人暮らしなので寂しいんでしょう。一人で家にいても退屈だから介護の仕事をしています。介護のセミナーにも参加する勉強熱心な人です。漢字を調べるためにエクスワードを年金で買って私に自慢しています。ちゃんと使いこなすところがまたスゴイです。
お年寄りだけでなく、カラダに障害がある方の介護もします。
世間一般の常識がズレていることを教えてくれる私の先生です。
機会があれば、また母の話を書きたいと思います。
それではまた。