写真を始めた頃はピント合わせに時間がかかっていました。
当時はピンボケは失敗だと思い込んでいました。
でもピント合わせに時間をかけ過ぎるのは本末転倒なんですよね。
ピンボケは失敗ではない
ピントが合っている写真はキレイです。キレイに見えます。広告写真や集合写真はピントがあっていなければNGです。が、一般の方が撮る写真ではピントが一番重要な要素ではありません。
私は写真業界に就職して自分でも写真を撮り始めた頃、ピンボケは失敗だと思っていました。でもピントよりも大事なことがあることに気付きました。
カメラって何する機械でしたっけ?←ここ大事です
写真屋で働いていたころはお客様の写真をたくさん見せて頂きました。10年以上写真業界にいたおかげで概算で100万枚以上は見ています。プロ・アマ含めて見せて頂いた写真の中には
「面白い!」
「スゲー!」
「キレイ!」
「いいね!」
などなど感動はさまざまです。そんな感動した写真は、必ずしもピントが合っていたわけではありません。ピンボケでも感動するし、ピントがボケているおかげで面白さが増すこともあります。
良い写真ってどんな写真?
私のイトコに写真家がいます。彼女は片手持ちでガンガンシャッターを切ります。面白い写真を撮る人です。姉の結婚式では私とイトコが写真を撮りましたが、そこでレベルの違いを思い知らされました。
私の写真はどれも型どおりの写真です。みんなカメラ目線でニッコリ笑っています。
イトコが撮った写真のほとんどが、みんなカメラを見ていません。一瞬でカメラを振り上げてファインダーも覗かず片手でサッとシャッターを切ります。フラッシュも使いません。そのため被写体の表情が自然です。(もちろんお約束のシーンはしっかり撮ってます)
造ってない表情からは被写体の自然な感情が表れます。その写真を見ていると、その場にいるような気持ちになります。片手でサッと撮るからみんな表情を作るヒマがないんですね。
片手で、しかもフラッシュ無しで撮るためピントがあまいです。でも感動します。一瞬を捉えるテクニックに『プロ』を感じました。ピントを気にしていた自分の素人っぽさにガッカリもしました。これが『写真屋』と『写真家』の差かもしれません。
大事なのは『その一瞬』なんですね。
何でもない日に何でもない子供の写真を撮る
私はときどきイトコのテクニックを真似しています。家の中で遊ぶ子供をこっそり撮ったりします。特別の日じゃないですよ。何でもない普通の日にです。
そんな何でもない日常の、何でもない写真の方が、特別な日にカメラ目線でピントバッチリな写真よりも良い表情をしています。後で見ると感慨深い写真は何でもない日に撮った何でもない写真だったりします。
ピンのあまさは写真を柔らかくしてくれる効果もあります。もちろんある程度はピンが合ってないと悲しいですけどね。
さいごに
子供の写真を撮るときに「こっち見て〜」「写真撮るよ〜」などと声をかけていませんか?
「ちょっと待ってね」と言いながらピント合わせしていませんか?
たまにはそういうの無しで撮るのもいいかもしれません。
それではまた。